宙散大系

ゲームの感想がメインになると思います。

【バイオ0】恐怖の原点、災禍の起源

PS4版「biohazard 0 HD REMASTER」を一周クリアしました。難易度はNORMALです。

この記事では、プレイ後の感想やレビューを書こうと思います。

 

 

僕は昔からバイオハザードシリーズが好きです。幼稚園児の頃に父親が持っていたPS1で初代バイオをプレイしていました。いま思うと父親のプレイを見ていることの方が多かった気がしますが、どちらにせよ将来が心配である。

そういうのを除いてちゃんとプレイしたことがあるタイトルを列挙すると、バイオ1(HDリマスター)、RE:2、RE:3、4、5、6、7、VILLAGE、リべ1をプレイ済みです。スピンオフなども含めて考えると意外と穴だらけですが、それらを埋めていきつつ今後も生涯かけて親しんでいきたいシリーズです。

最近だととにかくRE:4がめちゃくちゃ楽しみですね!RE:4への期待や、原作の思い出を振り返る記事も投稿していきたいです。あとリべ2は買ったけど積んでます。そのうちやります。

以下、本編です。

 

注意:ネタバレについて

・ストーリーのネタバレはありません。

・「列車」以降のマップ、クリア後の特典に関するネタバレを含みます。

 

目次

 

 

 

●ストーリー

あらすじ

1998年、ラクーンシティで多発していた猟奇殺人事件の調査のために、同市警特殊部隊S.T.A.R.Sのブラヴォーチームはヘリで森林地帯を訪れていた。ヘリはトラブルで森の中へ不時着し、レベッカ・チェンバースは停車していた列車の中に足を踏み入れる。

列車の中は、既にゾンビや謎の化け物で溢れかえっていた。調査を続けるうちに、レベッカは23人もの人間を殺害した罪で死刑判決を受けている元海軍兵ビリー・コーエンと遭遇。レベッカは立場上ビリーを逮捕しなければならないが、ゾンビだらけの列車から脱出するためにやむを得ず協力することになる。様々な苦難を乗り越えるうちに、二人の間には信頼関係が芽生えて…

つまり時系列的にはバイオ1の直前です。てか前日ですね。バイオ1ではサブキャラだったレベッカ(それと通りがかりの死刑囚)が主人公となり、シリーズ全体におけるストーリーの核心部分にも迫る内容となっています。

まぁ当然のようにバイオ1をクリアした人向けの作品です。シリーズを通して登場する製薬会社アンブレラやウィルスに関する謎が一部解き明かされますので、自分を含めバイオハザードが好きな人にとっては興味深いシナリオとなっています。それを抜きにしても、最終的にレベッカとビリーの二人がどんな結末を迎えるのかという点についても面白く、総じてストーリーは良い仕上がりだと感じました。

 

●ゲームシステム

伝統的な(?)バイオハザードのゲームシステムです。カメラ視点がTPSやFPSではなく、いわゆるラジコン視点というヤツです。これイメージできない人も多いと思うのですが、いっつも説明に悩みます。僕は防犯カメラ視点とか言ったりしますが、まぁ後で貼る画像とかで察して下さい(諦め)。

そんなカメラですのでエイムという概念が(ほぼ)無く、シューティングゲームという感じではありません。R1ボタン長押しで銃を構えて、○ボタンでドカン。これだけ。近くに敵がいれば、銃口は勝手に敵に向きます。昔のバイオ(リメイク前の2とか3とか)はこんな感じで、むしろ限られた弾薬や回復アイテムをいかに上手く駆使するかを考える戦術的なサバイバルゲームの側面が強いです。そして、この点においてバイオ0は無難に面白かったと言えるでしょう。満足です。

このカメラ視点のバイオをやったことがない(バイオ4とか7とかRE:2から入った)人にとっては慣れないでしょうが、洗礼だと思ってまずはバイオ1からやってみよう!って感じです。まぁかなり変な操作感ですが、慣れれば独特の楽しさがありますよ。

続いて、バイオ0独自のシステムについて触れます。

・パートナーザッピング

レベッカとビリーという二人の主人公がいますが、バイオ5のように片方が永久にCPU操作ということはなく、プレイヤーが自分で二人とも動かす必要があります。ですが二人同時に操作するのではなく、どちらを自分で動かすのかを頻繁に切り替えるのです。

例えば自分がレベッカを操作しているとき、ビリーはCPU操作になります。ビリーに付いてきてもらって一緒に戦うのか、その場で待機してもらうのかは指示が出せます。そして切り替えボタンを押すとその場でビリーが操作キャラになり、レベッカはCPU操作になるのです。

メニュー画面。この画面でもキャラ切り替え、指示ができます。

で、このキャラ切り替えを駆使しなければゲームはクリアできません。なぜなら二人の主人公には性質の違いがあって、薬品に詳しいレベッカ操作じゃないと回復アイテムの調合ができなかったり、ムキムキのビリー操作じゃないと動かせない仕掛けがたくさんあるからです。二人を別々の位置に立たせて、二つの仕掛けを同時に(厳密には2秒以内とか)作動させる場面もあります。また、ビリーの方がHPが多かったり銃の連射が速かったりするので、戦闘においても戦略性が生まれます。

まさにバイオ0の最大の特徴ですが、なかなか面白いと思います。一方で欠点も生んでいると思います。まぁぼちぼち書いていきます。

・アイテムを「置く」

文字通りです。バイオ0では、不要なアイテムを一旦その場に置いておくことができます。他のバイオでは「置く」というコマンドは基本ありません。持ち物が一杯になっても「捨てる」しか出てきません。「いや一時的にその辺に置いとけや!」というプレイヤーのツッコミに答えています(?)。

ビリー「床にたくさんアイテム置いてみた!ということでね」

代わりにアイテムボックスが存在しません。アイテムボックスとは、バイオ1~3などに登場する設置型四次元ポケットアイテムの保管ボックスです。そのままじゃん。だいたい全てのセーブポイントの横に置いてあり、中身は共有されるのでどこのボックスを開けても変わりません。自由にアイテムの出し入れができるので、例えば回復アイテムが序盤で余ったらしまっておいて、後でピンチになったら取り出して使えます。

これをバイオ0では床でやるわけですね。どこでも置けるので、持ち物が溢れてもわざわざアイテムボックスまで走る必要はありません。でも、床に置いても結局は必要になったら取りに来ないといけないので…詳しくはあとで。

では、バイオ0の良かった点と悪かった点を書いていきます。

 

●良かった点

・パートナーザッピングが面白い!

自分の判断でキャラを切り替えて進めていくのが、やっぱりバイオ0最大の特徴です。これを楽しめるか否かがゲームの満足度に直結するでしょう。僕は割と楽しめました。二人のキャラの特性の違いやHP状況を踏まえつつ、持ち物を調整して未知のエリアを探索する楽しさはデカいです。謎解きについても、キャラを上手いこと切り替えていかないと解けないものが多く、ちゃんとゲームシステムが活きていてグッド。処理場でのハンドルを入手する謎解きなんか、まさしくそれですね。

キャラ切り替えや指示出しでボタン配置がちょっとごちゃごちゃしてるし、慣れないうちは煩わしいでしょう。ですが、慣れてしまえばサバイバルホラーというジャンルの特徴と噛み合って、面白さに繋がっていくと思います。

・マップの雰囲気が良い!

まぁ人それぞれなんですが、僕はかなり気に入りました。

ゲームは「列車」からスタートしますが、その後のマップは「養成所」、「研究所」、「工場」、「処理場」と広がっていきます。その全てが退廃感に満ちていて、まさにバイオハザードだなという感じがします。「処理場」の雰囲気なんか特に良いですね。そして、最終的にマップは全て環状型のようになって繋がります。大事なアイテムを昔のマップに置いてきちまったせいで詰むこともありません。

・キャラクターが良い!

レベッカはシンプルに可愛いです。調べてみると、どうやら浜崎あゆみさんがフェイスモデルとなっているようです。82へぇ~。そりゃ可愛いわ。

ビリーもかなりイケメンで、死刑囚とは思えないほどの好青年です。かっこいい。イケボ過ぎて、コイツ死刑囚なのに声こんなに爽やかなのかよって笑うと思います。でもバイオあるあるですが、この手の単発キャラは今後再登場しません。して欲しいな。

他にもウェスカーやバーキンなど、他のバイオ作品で見た顔が登場します。そういうストーリーなので当然ですが、ファンにとっては嬉しいですね。

愛しのビリー様。イケメン。

 

●悪かった点

・協力して敵を倒す必要性やメリットが薄い

さっきパートナーザッピングによる戦略性が~と書きましたが、その中身が薄いって話です()。

敵と戦うなら、基本的にビリー単騎で行く理由しかありません。HPが高いので。

レベッカと一緒に攻撃すれば火力倍増やん!それもそうですが、レベッカはとにかくHPが低いので、二人で戦ってもレベッカにダメージが蓄積するデメリットの方が大きいと感じました。

未知のエリアを探索するときは、基本的にレベッカを安全な位置に待機させてビリー単騎で突っ込みます。敵を倒すと新しいアイテムや回復アイテムが見つかりますが、ビリーだけでは持ちきれないのでレベッカ操作に切り替えてビリーのもとへ行かせます。二人でも持ちきれない場合は不要なアイテムを床に置いて去り、また後で回収に来ます。

と、こういうパターンが多かったです。ちょっと単調な作業感が出てしまいます。謎解き関連は良かったですが、そこまで細かい指示も出せないゲームシステムで戦闘となると、HPが低いレベッカを活かすのが難しいですね。

逆に二人で戦うことを強いられるボス戦もありますが、やはりレベッカのHP管理が肝です。なんとCPUは自動で回復アイテムを使わないので(多分)、こういうボス戦のときは自分でレベッカを操作した方が良いのかも。つまり、自分ではビリーを操作して敵と対峙して、レベッカには後方支援をしてもらうというような戦術はなかなか実現しない気がします。こまめにキャラ交代を行えばいいかもしれませんが、自分が操作しているキャラが攻撃を受けて怯んでいる間はキャラ交代が効きません(多分)。その間に戦況が余計に悪化することもあります。また、自分が操作していない方のキャラは右スティックを使えば移動だけなら可能ですが、例によってラジコン視点なのでカメラの外に出てしまったらそれ以上の操作は困難です。上手いことやるのはなかなか難しそうです。

・急に詰みやすい

たまに強制的に分断されて一人で戦うイベントが発生します。その際に、もう片方に強い装備を持たせていた場合は簡単に詰みます。例えば、

ビリーに強い装備を持たせておく→イベント発生→強制的にレベッカ単騎で戦うことになるが、こいつが回復アイテムしか持っていない→\(^o^)/

泣きながらゲームをリスタートさせますが、もし最近セーブをしていなかったらかなり前まで戻されることになるのでゲームを破壊してしまいます。セーブはこまめにした方がいい。てかそもそもリスタートってあんまり使いたくないんだけど、プレイヤーが悪いわけでもないのにリスタートせざるを得ない事態が起こりえる訳です。これは欠点と言えるのではないでしょうか。

・アイテムの管理が面倒くさい

これもバイオあるあるですが、キャラが持ち運べるアイテムの数が少ない(6個だけ)のでアイテム管理がカツカツになります。他作品だとアイテムボックスにまとめて収納できますが、バイオ0では床に置きます。するとマップのあちこちにアイテムが散らばるわけです。攻略を知っていれば効率的に取捨選択できますが、初見だとまぁエラいことになります。

しかも僕は几帳面な性格なので、余計に大変でした。未知のエリアに行くときは必ずある程度の装備を整えたいので、そのたびに遠方に置いといた弾薬や回復アイテムを取りに行きました。これに加えて普通に不足したときにも取りに行くので、アイテム管理のためだけにマップを何往復もしました。ほどほどなら良いのですが、ちょっと多すぎたかな…。

しかも近くに良い感じの机とかあっても、アイテムは必ず床に置かれます。すると角度的にカメラに映らない場所に置いてしまい、「あれどこに置いた??」現象がたまに起きます。マップには映るけど、拾う判定も割とシビアなので苦しい。

しかも一つの部屋に置けるアイテム数には上限があります。

レベッカとビリーが分断され、アイテム運搬用のエレベーターを使ってやり取りする場面もありますが、これも面倒です。まず二人ともエレベーターの位置に行かせる必要があるし、アイテムは一つずつしか送れません。その度にエレベーターのドアがゆっくり閉まる映像が入るので、シンプルにストレスが溜まります。

どちらにどのようなアイテムを持たせるか?という駆け引きは面白いですが、前述の通りビリーが武器庫になりがちだし、そもそも持てる数が少ないので結局あまり自由度は高くないかも。

ジュラルミンケースくん

アイテムを名指しで批判してしまいました。本筋とは関係ありませんがだいぶヤバいと思ったので悪口を書きます。

途中、ジュラルミンケースというアイテムを入手できます。

容疑者

で、アイテムを選択して「調べる」コマンドを押すと、アイテムが拡大されて詳しく調べられます。アイテムをくるくる回して、色んな角度から見れます。

このジュラルミンケースにはナンバーロック式のカギが掛かっていました。

まだ普通

これは、どこか他の場所にナンバーのヒントが隠れているヤツです。別の部屋に置いてあるメモにこっそり書いてあるので、それを探すパターンです。

 

 

 

”良く見るとすみの方に小さく『385』と書いている”

 

これカギかけとく必要あったか??

 

いや、もしかしたら拾ったアイテムはちゃんと調べましょうねってことなのかもしれません。ケースの本体に番号書くなよ!というツッコミも我慢します。

でも調べる場所が悪いとダイヤルを回す画面に行っちゃうし、アイテムの画像をよく見ても数字なんか書いていないので、少し傾けた上で違和感もないのに○ボタンを押さないといけません。ちょっと苦しい気がします。

これ、本来は別の場所に答えを仕込むつもりだったんだけど忘れてて、マスターアップ直前とかで慌てて入れたんじゃねぇかな…違うかな…なんにせよ絶叫してしまいました。他にもこんなんあったっけ?

 

ミニゲーム

既にだいぶ書いてますがもう少し続きます。

バイオ恒例の本編クリア後に解放されるミニゲーム。二つあるので両方について書きます。

・リーチハンター

これ、割と面白かったです。

「養成所」マップ内に散りばめられた「緑のヒルのオブジェ」50個と「青いヒルのオブジェ」50個、合計100個をできる限り多く集めて脱出するというミニゲームです。

同時に武器や回復アイテムも散りばめられていて、上手く活用しながらオブジェを回収していきます。アイテムや敵の配置は本編とは異なっており、新たな戦略を考える必要があります。

オブジェもアイテム扱いなので、当然アイテム欄を圧迫します。必然的に、敵を掃討してから拾い集めていくというのが定石になりますが、このやり方自体が自分には合っていました。

もちろん目標は100個全回収です。1回目の挑戦結果がこちら。

なんか綺麗に1個ずつ漏らしました。

見落とした緑1個と青1個がどこにあったのか見当もつきません。

ていうか、弾薬をほぼ全て使いきると同時に敵を全滅させたんです。よっしゃ、あとは拾い集めるだけや!と思っていたのですが、なんとオブジェの所持数が計90個に達すると敵が再配置されるらしいです。義務教育で教えて欲しかった。

ということで再配置された敵を倒しきれず、回収作業中に全ての部屋を回れませんでした。回れなかった部屋の中に見落としたオブジェがあったんだろうけど、少なくとも最初の敵をシバく過程で全エリアを一回は確認したはずなので、やはり見当がつきません。

 

反省をふまえて最初から再挑戦!

 

上の通り、今度は敵を全滅させた時点で装備に余裕ができるようにしました。これなら再配置された敵も倒しきれます。

再配置された敵も全て倒してトロフィー獲得。

つーことで無事に100個すべて回収してクリアできました。HPも余裕です。

ちなみに、レベッカは緑のオブジェしか持てず、ビリーは青のオブジェしか持てない上に、一度拾ったオブジェは床に置くことができません。これ面白いなと思ったのですが、冷静にそんなこと言われたら最初に敵を全て倒しきるしかないので、戦略を制限されているだけかも。()

ミニゲームのくせに1プレイあたり1時間40分くらい使いました。好きなルールだったし、難易度もそこそこだったので良しとします。いるかと思ったけどプロトタイラントとか配置されてなくて良かった。

・ウェスカーモード

これはミニゲームというか、おまけモードです。

適用して本編を起動すると、ビリーの代わりに超人ウェスカーを操作できます。

ウェスカーは「クソ速いダッシュ」と「目からビーム」という二つの秘技を使えます。正式名称は忘れました。これでバイオ0の世界を暴れ回ろう!ってだけのものです。

ストーリーが変わるわけではないっぽいので、僕は少しだけウェスカーを動かして投げました。()

ウェスカーファンの方は楽しめるかもしれませんね。

レベッカの見た目も変わります。バイオ5のジルっぽい。

ムービーはビリーの見た目だけウェスカーになります。セリフや声は変化なし。

 

●まとめ

バイオ1をプレイしたことのある、比較的コアなシリーズファン向けのタイトルです。

初めてバイオハザードをプレイする人に、時系列の一番最初だからと言ってこのゲームをオススメするのは狂気の沙汰です。引退してしまいます。

今ではTPSやFPS視点の作品が増えたので、昔ながらのバイオハザードをやりたくなったら貴重な選択肢にはなると思います。

色々とクセも強いので名作とまでは行かなくとも、伝統的なゲームシステムの枠組みを保ちながら他のタイトルには無い独自要素を多く取り入れた意欲作だったと評価したいです。面白かった!

初見11時間でクリア。クリアランクD。w

なんか(自分的に)今さら過ぎるので、ラジコン視点における敵との戦闘体験については省きました。エイムの概念がないとか、カメラ外にいる敵の位置が見えないとか、素早い敵には攻撃が当たりにくいとか色々ありますが、自分はバイオハザードに関しては割と全肯定オタクなのでこの辺はむしろ魅力だと思っています。

この辺が引っかかる人はそもそもバイオ1を途中で投げるはず。だから、バイオ1が面白かったなら是非プレイしてみて欲しいですね。こんなことばっか言ってら。

2周目以降のプレイは、どうしよう…。やってもいいんですが、それよりかはVILLAGEのトロコンとかに手を付けたいので、一旦はスルーしようと思います。

最後に、有名ですが狩野英孝さんのプレイ実況がかなり面白いのでオススメしておきます。この人よくクリアしたなぁ。


www.youtube.com

 

●編集後記

最初の記事だからって張り切って書きすぎました。8,000字近いわ。

毎回こんな分量を書いていたら間違いなくブログが続きません。次からはもうちょっと気楽に書きますね…。

次回はノベルゲームの記事を書きたいです。